マインドフルネスプロジェクト は、2020年2月に銀座でSIYコアプログラムを開催します。認定講師の伊藤穣と飯塚えみからみなさまに向けたメッセージです。当日会場でお会いできることを楽しみにしております。



開催会場、日程、料金詳細について

日時 2020年2月1日(土)、2日(日) 9:30〜17:30(開場9:00)

場所 株式会社コンカー
   〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 8F(受付7F)
   銀座駅(東京メトロ 銀座線/日比谷線/丸ノ内線)A3出口 徒歩約2分
   東銀座駅(都営地下鉄 浅草線/東京メトロ 日比谷線)A1出口 徒歩約3分

料金 超 早 割 90,000円(税込99,000円) 受付中 2019/12/17まで

   早  割 110,000円(税込121,000円) 2019/12/18~2020/1/15

   通常価格 125,000円(税込137,500円) 2020/1/16~2020/1/31

   再受講※ 68,000円(税込74,800円)  2019/10/21~2019/12/17

※それ以降は一般と同じになりますので、ご注意ください。
※過去に開催されたSIY 2day受講者が対象となります。※全て1日目、2日目の昼食代も含みます。


SIY開催概要はこちらからどうぞ。
http://mindfulness-project.jp/siy/

2019年10月25日にNagatachoGRiDで開催された映画”Most Likely To Succeed” 上映会&ダイアログの様子をお伝えします。

Most likely to succeedとは

“Most Likely To Succeed”は、「未来の教育のあり方を問う」ドキュメンタリー映画です。「AI、ロボットが生活に浸透していく21世紀に子どもたちに必要な教育は?」というテーマで、プロジェクト・ベースド・ラーニングを行う米国のカリフォルニア州にある High Tech High というチャータースクール(※)に通う二人の高校1年生の成長を追いかけます。ビジネスの世界でこれからの時代に求められるスキルを考えるうえでも参考になる映画です。

企業ニーズと現在の教育システム

年功序列、終身雇用などの日本的雇用慣行と労働文化においては、言われたことを大過なく対応することや従順に組織に順応することが求められてきました。新しいチャレンジや創造性を発揮することよりタスクを実行しルーティンワークをこなすことが求められてきました。企業はそのような人材を求めて人材の採用や評価をしてきました。新卒一括採用やKPIによる評価、減点主義、計画主義はその代表例でしょう。

現在の教育システムは、このような企業ニーズに応えられるように整備されてきました。膨大な知識を暗記して、時間内に難解な問題を解き、いわゆる詰め込み型の教育が主流です。その一方で創造性や協調性などを学ぶ場はあまり多くありません。2017年には、将棋AI(PONANZA)が名人のプロ棋士に完勝し、2045年にはシンギュラリティ(人工知能が人間の知能を超える技術的特異点)が起きるという予測もあります。


2013年9月に発表された、「米国において10~20年内に労働人口47%が機械に代替されるリスクが70%以上」というオックスフォード大学のフレイ&オズボーンの推計結果は、現在では推計方法に問題があるとされ専門家の間では信頼されていません。職の全体量の増減についていえば、OECDが発表した、約1割が代替される、という推計値が専門家の間での合意となっております。それでもタスクベースでは、労働環境は変化していくことは間違いがありません。型通りのルーティンワークやタスクはAIに置き代わっていくでしょう。その時求められるのは、今まで通りの詰め込み型の教育によってもたらされる能力なのでしょうか。AIにはできない能力、創造力やコミュニケーション能力など人にしかできない能力をいかに伸ばし培っていくかが、今注目され始めています。


実験的な教育

映画”Most likely to succeed”の中に出てくる、アメリカ西海岸のHigh Tech Highでは、子供達の自主性を重んじ、創造性や協調性を発揮することに重きを置いて年間カリキュラムが組まれています。この学校では、いわゆる教科書を使って決められた内容を規定通りに教えていくのではなく、教師が授業の構成や内容を決める権限を持ち、教師が自ら考えたテーマに応じてオリジナルの年間カリキュラムを組み立てていきます。


生徒たちは、教師が設定したテーマに応じたプロジェクトに自主的に参画し、自分たちの心と体と頭を使って様々なワークや課題に取り組んでいきます。取り組んだプロジェクトや作品は決められた発表日に両親や家族、友達にお披露目します。型通りの問題を解いたり教科書の内容を覚えるのではなく、自主性や自発性が重んじられ、プロジェクトや課題を通じて問題提議をする発想力や人間関係を構築する協調性やリーダーシップを培っていきます。単発的なイベントの文化祭や体育祭と違い、企画段階から自分たちで考え、作品完成まで時間をかけて試行錯誤を繰り返すプロジェクトベースの授業です。

授業風景1

例えば、歴史の授業では、ギリシャ神話の演劇を創作するプロジェクトに取り組みます。演出、照明、衣装、役者、各々の担当を自分たちで決めていきます。人前で話をすることに恥ずかしさを感じる内気な女の子が演出という大役に立候補します。最初は自分の意見を言う事に躊躇いを感じ、プロジェクトをうまく進める事ができませんでした。

しかし、みんなで良いものを作りたい、親たちが見にきた時に楽しんでもらいたいという気持ちが彼女を変えていきます。自分の言葉で自分の意見をぶつけるようになり、役者にやる気が見られなければ叱咤激励し、限られた人数で本番を迎えるにあたり自分のことは自分でやるように促していきます。


彼女の変化、成長とともにプロジェクトは進行していきます。発表当日には素晴らしい作品を発表することができました。人前で話す事に抵抗があった彼女は、演劇創作を通じて自信を持つことができるようになりリーダーとしての自覚を持つことができるようになりました。

授業風景2

文明について学ぶ授業では、過去の文明の栄枯盛衰を学習し、その共通点や特徴を工作を通じて一つの作品にするプロジェクトに取り組みます。アイデア豊富な男の子がプロジェクトリーダーに立候補しますが、自分のアイデアや意見に固執してしまいチームをうまくまとめられません。チームメンバーはリーダーの発想力やペースについていくことができなくて、発表日までに作品を完成させることができませんでした。


自分の意見にこだわり過ぎたことを反省し、彼はクラス全員の前で自らの非を認めます。教師はそのことを責めるのではなく彼の落ち込んでいる感情に寄り添い、彼のビジョナリーな発想力や独創性には価値があると諭し、強みを認識させ今一度やる気を取り戻させる事に成功します。彼は試行錯誤を重ねて発表日から1ヶ月遅れで作品を完成させます。彼はこの体験から諦めない力やチームワークの重要性を学んでいきます。

親の価値観

子供達にどのような価値観を持って生きていって欲しいか。どのような人生を歩んでいって欲しいか。親がどのような価値観を持って生きているかは子供の教育方針に結びついています。親が今まで通りの教育を望めば、子供もそのように考えるでしょう。

映画の中でも1年間のプロジェクトを通じて我が子の変化と人間的な成長を喜ぶ親がいる一方で、大学進学に不安を覚え、テストで点数を取るための勉強を教えて欲しいと教師に要求する親もいます。大学受験を控えた生徒の中にも、大学進学が大事だからテストの勉強を優先して欲しいとリクエストするシーンもあります。未だ実験段階の教育方法に親も子も戸惑う様子が、既存システムの枠組みで考える反応として映し出されます。


映画の最後の締めくくりでも、このような教育方法が正しいのかどうかはまだ不明であることがナレーションで語られます。「学んだ生徒たちが仕事をするようになる10年後にその答えは出るでしょう。」と語られながらも、現段階では、High Tech Highの卒業生の大学進学率は98%という結果が伝えられました。

親は世の中の変化を読み取り、自分の中にある固定概念や先入観に気づくことが求められているのではないでしょうか。子供の可能性を広げるためにどのような道を歩ませていくかを真剣に考える価値はあるでしょう。答えは親の感情や気持ちの中ではなく、子供の心と体の中にあるのかもしれません。

社会システム抜きには語れない教育システム

AI時代に生きる親は、自分たちの価値観を闇雲に押し付けるのではなく、AIやロボットの台頭、デジタル化、グローバル化、情報化などの時代の変化を感じ取り、自分たちが育ってきた環境と現在の環境の違いを認識する必要があります。その上でどのような教育が子供達の将来に役立つのかを考え、子供たちに選択肢を与えることが重要なのではないでしょうか。そのためには、出来上がった社会システムを見直す必要があるのかもしれません。


社会システムが変わらないのに、教育システムだけ変えたのでは、子供達もただ翻弄されるだけでしょう。今までの価値観を見直し、どのような社会を作っていきたいかを問われているのかもしれません。既存の社会システムの中で教育システムが捉えられてしまう限り、過去の成功体験、予測される将来ビジョンの呪縛からはなかなか抜けられません。競走という名の思考停止状態から、共創という人間らしさと智恵をいかに育んでいくか。親も子も自らを顧み、自らの中にあるものに気づいていくことが大切だと思います。

AI時代に求められる能力とは

企業組織においても同様です。AIやロボットの台頭、デジタル化、グローバル化、情報化などの時代の変化を踏まえた、人材育成や採用を進めていく必要があるでしょう。AIにはできない、人間にしかできない事に焦点を当てれば、想像力、発想力、コミュニケーション力、リーダーシップなどの能力が求められるようになるでしょう。


VUCA と表現される変化の激しいビジネス環境の中で、スピーディに問題を解決したり、新しい価値を創出していくためには、今まで以上に組織力を発揮していく必要があります。そのためには、チームの集合知が鍵になります。一人でできることには限界があります。様々な考えやアイデアを持ち寄り、個人の能力を最大限に発揮して、チームが協力して取り組めばメンバー間のシナジーが生まれ、思いも寄らない成果が生まれる可能性が高まります。指示を待って、言われた通りに動く兵隊のような働き方は、時代遅れとなり、不必要になっていくでしょう。むしろ、自分の強みや弱みを自ら認識し、人間性を生かし自分らしく生き生きと働くことで創造性やリーダーシップを発揮してチームに貢献することが求められるようになるでしょう。そのためには、記憶力や論理合成力などのAIで置き換え可能な能力ではなく、発想力やコミュニケーション力、革新性や前向きな姿勢などの人間力の重要性が増していきます。



集合知をいかに引き出し高めていくかは、ビジネスリーダーの大切な役割であり、VUCA時代のチーム作りの基盤になってきます。集合知を引き出すためには、メンバーが自己表現ができる環境を作っていく必要があります。そのような働き方をサポートする職場環境を整えていくには、心理的安全性のある場をいかに作っていくかが大切だと考えます。心理的安全性が高いチームであれば、メンバーが自己開示できるようになりコミュニケーションが円滑になり、自己表現を通じてそれぞれの持ち味や能力を発揮することができるようになり、集合知を生かしたチーム作りができるようになります。

映画の感想

自発性を発揮してひたむきに課題に取り組む生徒たちの姿に涙腺が緩んだり、旧態依然とした考え方に無力感を覚えたり、手探りながらも子供達の可能性を引き出そうとする新しい教育方法の試みに希望を感じたり、心揺さぶられる90分でした。子供たちが心の交流を通じて1年間でみるみる成長していく様子には感動を覚えます。子育てに奮闘するお父さん、お母さんはもちろん、組織で働く人たちにとって考えさせられる映画だと思います。鑑賞された方はぜひご感想をお寄せくださいませ。

(※)チャータースクールは、従来の公立学校では改善が期待できない,低学力をはじめとする様々な子どもの教育問題に取組むため,親や教員,地域団体などが,州や学区の認可(チャーター)を受けて設ける初等中等学校で,公費によって運営される。  州や学区の法令・規則の適用が免除され,一般の公立学校とは異なる方針・方法による教育の提供も可能。ただし,教育的成果をチャーター交付者により定期的に評価され,一定の成果を挙げなければ,チャーターを取り消される。

マインドフルネスプロジェクト は、2019年11月13日付で、INNER EYE CONSULTING(代表 大川千秋)とパートナーシップ契約を締結しましたのでお知らせします。

今後、マインドフルネスプロジェクト とINNER EYE CONSULTINGは、マインドフルネス研修やリーダーシップ研修などの人材開発分野やウェルネス分野において協業し、日本企業の抱える諸問題、「経営力強化」「組織活性化」「生産性向上」「健康増進」にアプローチして参ります。

2020年1月には、共同プロジェクトShake UP(全6回)を経営者向けに開催予定です。詳細は別途お知らせいたします。

 


「この度は、パートナーシップという形で協業の機会を頂き、大変嬉しく思います。マインドフルネスという共通分野において、科学と心の力で世界を変えていきたいという想いを共にする仲間が増えていくことは心強いですし、上場企業にて管理職及びグループ会社にて経営陣としてご活躍されていたご経験にも信頼を寄せています。マインドフルネスプロジェクトの伊藤さんとともに、今後も皆様のお役に立つ情報や講座をともに提供していきたく存じます。」

INNER EYE CONSULTING 代表 大川千秋


「INNER EYE CONSULTINGがマインドフルネスプロジェクト のパートナーとなることは大変心強く嬉しいことです。INNER EYE CONSULTING代表の大川千秋氏は、楽天の人事部門で1000名以上の社員にマインドフルネスを伝え、組織改革のチームリーダーとして活躍していました。マインドフルネスプロジェクト は、彼女の楽天での経験と実績に信頼を寄せており、今後の企業向けのプロジェクトにおいて、様々なシナジーを生み出すことを期待しております。 」

マインドフルネスプロジェクト 代表 伊藤穣


INNER EYE CONSULTINGは、マインドフルネスを中心としたポジティブ心理学領域の各種事業を行っております。

(1)マインドフルネス研修プログラムの提供及びコンサルテーション

(2)ポジティブ心理学研修プログラムの提供及びコンサルテーション


(3)組織開発コンサルテーション


(4)経営者向け/人事・指導者向け/個人向けの各種講座提供

(5)ポジティブ心理学コーチングの提供


(6)執筆・出版



【本件に関するお問い合わせ先】 http://mindfulness-project.jp/contact/

マインドフルネスプロジェクト は、2019年11月11日付で、須藤商店(代表 須藤秀樹)とパートナーシップ契約を締結しましたのでお知らせします。

今後、マインドフルネスプロジェクト と須藤商店は、マインドフルネス研修やリーダーシップ研修などの人材開発分野やウェルネス分野において協業し、須藤商店は、主にマインドフルネス関連のワークショップや企業研修の企画運営、マーケティング活動を行います。


「私は「マインドフルネス」というキーワードが日本でも耳に入り出してくる前から「マインドフルネス的」なことを実践してました。山を100km以上走るトレイルランニングや空手では呼吸に集中し、自分自身の心の声に耳を傾ける。自分が思ったことをただただ書き続けるジャーナリング。マインドフルネスプロジェクト 代表である伊藤氏との会話を通じて、「今までやってきたことはマインドフルネスだった」と気づきました。マインドフルネスを知れば知るほど、生活にも仕事にも役立っていることにも気づきました。私自身、より深く学びたくなったマインドフルネスを伊藤氏と協業で日本中に広められたらと考えております。」

須藤商店代表 須藤秀樹 


「須藤商店と協力して日本にマインドフルネスを広げる活動ができることを大変喜ばしく思います。須藤商店は、2020年2月に開催のSIYのスポンサーでもあり、今までも良い関係を築いて参りましたが、代表の須藤秀樹氏のマインドフルネスに対する理解と情熱に共感し、今回のパートナーシップ契約に至りました。須藤商店がウェブ分野で培ってきたマーケティング力とマインドフルネス分野における新しいビジョンに信頼と期待を寄せております。今後、須藤商店とマインドフルネスのイベントや企業研修などの協業の機会が増えていくことを楽しみにしております。」

マインドフルネスプロジェクト
代表伊藤穣


須藤商店は、横浜を拠点に、Web関連の企画、ノウハウ提供を軸に、サイト制作、SEO対策(検索エンジン対策)、Web集客に関するコンサルティングサービスを提供しております。ウェルネス事業としてマインドフルネス関連のイベントや企業研修の企画運営をしております。


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組織活性化やチームの生産性向上のためのアプローチとして「心理的安全性」という言葉を聞くことが増えてきました。2012年にグーグル社内で実施された「生産性の高いチームの特性」を明らかにする「プロジェクト・アリストテレス」でも「心理的安全性」の重要性が確認されました。


安全とは?

広辞苑で「安全」の意味を調べてみると、「安らかで危険のないこと。平穏無事。物事が損傷したり、危害を受けたりするおそれのないこと。」と定義されています。

安全の定義は、歴史的・地政学的・宗教的・文化的な背景によって異なります。第二次世界大戦後、戦争をしていない日本においては安全が絶対的なものとして捉えられることが多いようです。地域紛争が絶えない地域では安全の捉え方は日本と大きく違うでしょう。放射線の脅威に晒された2011年以降、または最近の天災を通じて日本でもその考え方に変化が現れ始めているかもしれません。



「安全は常にあるもの」
「安全は自然に作られるもの」

と考えるのと、

「安全は脅かされるもの」
「安全はそもそも存在したいもの」

と考えるかでは安全の捉え方は大きく異なります。

科学技術における安全の定義は国語辞典の定義とは異なり、時代と共に変化します。現代の技術界では安全は、「許容できないリスクがないこと」と国際基本安全規格で定義されています。

心理的安全性とは?

ビジネスにおける心理的安全性は、上司や部下、メンバー同士がネガティブなプレッシャーを受けることなく、安心してコミュニケーションを取ることができて、自分らしく生き生きと仕事に打ち込める環境です。心理的安全性が高ければ、対立する意見も含めて本音を言い合える建設的な関係を築くことができます。心理的安全性は、お互いを認め合うことから始まり、会社が社員を信頼し、尊重することで、社員の会社に対する信用が高まります。社員が心理的安全性を感じるようになると、モチベーションが高まり働きがいを感じられるようになっていきます。

「ミスの報告をしたら叱られるかもしれない」
「問題点を指摘しても真剣に聞いてもらえない」
「成果を報告したらいいとこ取りされるかもしれない」


お互い信頼できない状態で、コミュニケーションをしていても良い結果が生まれないのは火を見るより明らかです。話したら責任転嫁される、話しても無駄、成果を横取りされる、そのように信頼感がない状態では、自分の仕事に対する責任感は欠如し、労働意欲やモラルも低下し、チームのパフォーマンスは下がってしまいます。

「ここでは何を話しても許される」
「失敗から学ぼうとする」
「相談事に対して真剣に耳を傾けてくれる」
「新しいことにチャレンジすることにリーダーやメンバーが協力的」
「意思決定では全員の意見が尊重される」


そのような環境であれば、メンバーはリスクをとって新しいことにチャレンジしたり、問題点や改善点を積極的に共有するようになって、活発なコミュニケーションが行われ組織が活性化するでしょう。心理的安全性が高いチームでは、メンバー一人一人が自分らしく生き生きと働くことができます。結果的に強みを生かし、弱みを補うことができ、チーム全体の組織力が発揮される状態を作って行くことができます。

なぜ今心理的安全性が注目されているのか?

心理的安全性が注目されている理由の一つは、情報化とグローバル化によってもたらされたVUCA と表現されるビジネス環境の変化が挙げられるでしょう。私たちは、変化が激しいマーケット、著しく早い技術進化、複雑化する顧客ニーズなどのビジネス環境に対応しなくてはなりません。このようなVUCAワールドで、スピーディに問題を解決したり、新しい価値を創出していくためには、今まで以上に組織力を発揮していく必要があります。そのためには、チームの集合知が鍵になります。

一人でできることには限界があります。様々な考えやアイデアを持ち寄り、個人の能力を最大限に発揮して、チームが協力して取り組めばメンバー間のシナジーが生まれ思いも寄らない成果が生まれる可能性が高まります。この集合知をいかに引き出し高めていくかは、ビジネスリーダーの大切な役割であり、VUCA時代のチーム作りの基盤になってきます。


当然ながら集合知は、個々人に内在する智恵や能力が中から外に表現されて、はじめてチームの中で機能します。集合知を引き出すためには、メンバーが自己表現ができる環境を作っていく必要があります。疑心暗鬼で足を掬われないように、心にマスクをして本音を隠し、鎧を着て警戒しながらコミュニケーションをしていては、自己開示をすることができません。心を開いてコミュニケーションを図るためには、「ここでは何を話しても大丈夫」「リスクを取れる」「不必要に責められることはない」という安心感が欠かせません。

心理的安全性が高いチームであれば、メンバーが自己開示できるようになりコミュニケーションが円滑になり、自己表現を通じてそれぞれの持ち味や能力を発揮することができるようになり、集合知を生かしたチーム作りができるようになります。

プロジェクト・アリストテレスとは?

プロジェクト・アリストテレスは、2012年にグーグル社内で実施された「生産性の高いチームの特性」を明らかにした調査です。調査対象は、エンジニアリング115チームとセールス65チームです。180チームを対象に、生産性の高いチームは生産性の低いチームと比べてどんな違いがあるかを分析し明らかにしました。


メンバーの性格テスト、男女比などのダイバーシティ、チームリーダーへのインタビュー、チーム内のルール、メンバーの知識や技術、エモーショナルインテリジェンスなどを調査しました。

プロジェクト・アリストテレスの結論として生産性の高いチームの特性は、以下の通りでした。

① 心理的安全性が高い
② 信頼性が高い
③ 構造が明瞭
④ 仕事に意味を見出している
⑤ 社会に対して影響をもたらすと考えている


この5つの要素で最も大事なことが、心理的安全性です。心理的安全性が高く安心してなんでも言い合えるチームでは、メンバー一人一人が自分らしく働くことができて、能力を発揮して集合知を活用し組織力を発揮したチーム作りができていることが分かりました。

心理的安全性があれば、メンバーを信頼できるようになって、計画が明確になり方向性が一致して、期待される通りの役割を果たすようになります。そのような関係の中で仕事に向き合うことができれば、モチベーションも高まり働きがいや仕事の意味を各々が見い出すようになり、生産性の高いチームができあがり、社会貢献につながるような価値を提供することが可能となります。

心理的安全性に対する誤解とは?

何を話しても大丈夫という心理的安全性は、自分勝手な振る舞いを許容しメンバーを甘やかすようなことではありません。

心理的安全性は、メンバー間のコミュニケーションを円滑にしチームに創造性をもたらす一方で、必要なときには厳しく接する余地を生み出します。信頼関係のある中でのコミュニケーションであれば、その厳しさは自分への期待であったり、チームとして必要とされることであると理解することができるようになり、気持ちを腐らせず前向きに取り組む成長機会として捉えるようになるでしょう。反対意見に対しても感情的にならずお互いを尊重し、真摯に耳を傾けることができるようになり建設的なコミュニケーションができるようになります。


また、心理的安全性に託けてサボったり手を抜いたりするメンバーが現れるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、実際には逆です。心理的安全性が高い環境では、メンバーは自分らしく働くことができて仕事に対するモチベーションが高まり自律的に活動できるようになったり、お互いの弱みを補い合う関係を築くことができるようになります。

さらに、プライベートと仕事を分けて仕事をする日本の組織では、弱さを積極的に出すというカルチャーはあまりないかもしれませんが、心理的安全性のある組織では、プライベートと仕事を分けずありのままに弱みを曝け出します。弱みを晒したり弱みと向き合うためには勇気が必要です。その弱みを自らが克服しようとすることで個人の成長を促し、チームとしての成長が図られます。弱さに向き合う痛みと内省による気づきが、人としての成長を促します。弱さを認識しその根本となっている無意識的な固定観念を疑い、取り壊して次のアクションを起こすことで、新しい価値観を持つ人間になれます。それが人間的な成長であり、そういった支援を継続的に積極的に行っていくことができるのが心理的安全性です。

心理的安全性を築くために必要なことは?

心理的安全性を高めていくためには、弱みや失敗経験も含めて自己を開示していき、お互いを認め合うことが大切です。自己を開示してお互いに認め合うことができれば、信頼関係が醸成され新しいアイデアや考えを共有しようとして積極的に自己表現ができるようになっていきます。

メンバーだけでなくリーダー自らが自己開示をしてくことも大切です。リーダーは完璧でなくてはならないという呪縛を解き放つ必要があります。リーダーも人間であり失敗することもあることを知れば、親近感が湧きリーダーを助けるために何ができるかを考えるようになっていきます。そのためには、リーダー自らが鎧を脱ぎありのままの自分をしっかりと見つめ表現できるようになることが大切です。


自己開示や自己表現をするためには、自分のことを知る自己認識がベースとなります。自分にとって何が大切で、自分の弱みや強みは何であり、自分の資質や志向がどのようなものかを自分自身で理解していなければ、十分に自分のことを伝えるのは難しいでしょう。自分の心の中で何が起こり、どんな感情や気持ちを抱いているかに気づいたうえで、相手と会話をすることでより良いコミュニケーションを図ることができます。

トップダウンのヒエラルキー型のビジネス慣行に慣れてしまった日本のビジネスパースンには、自己認識ができていない人が多く見受けられます。心理的安全性は自己開示や自己表現など自分を通じて始まることを踏まえると、自己認識を深める必要があります。そのためには、マインドフルネスの実践やジャーナリングが有効なアプローチとなります。また、自己開示をして認め合うために、共感のワークや人生のターニングポイントを共有する気づきのシェアリングなども有効なアプローチとなります。

2019年10月11日(金)に経団連会館で開催された第34回日本証券アナリスト大会の様子をお伝えします。マインドフルネスプロジェクト 代表の伊藤穣は、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)として、15年以上事業会社の財務部門で投資家や銀行家とのコミュニケーションを中心に仕事をしていた経験があります。株主優先の資本主義を変える可能性があるESG投資を切り口に、マインドフルネスが現在の企業経営に貢献できることを考察していきます。

第34回日本証券アナリスト大会

第34回日本証券アナリスト大会のテーマは、「東京五輪後の日本-サステナブルな成長を目指して」でした。講演内容と講演者は、下記の通りです。


記念講演 1:「ハードルを越える」 
Deportare Partners 代表 為末 大(ためすえ だい)氏
           
記念講演 2:「航空会社の社会的責任」
日本航空 代表取締役会長 植木 義晴(うえき よしはる)氏
           
パネル・ディスカッション
「五輪後の新時代に求められるROESGによる価値創造」 

【司会】エーザイ専務執行役CFO柳 良平氏
【パネリスト】 MSCI INC. マネージング・ディレクター内 誠一郎氏
いちごアセットマネジメント 代表取締役社長スコット キャロン 氏
コニカミノルタ 代表執行役社長 兼 CEO山名 昌衛氏 

「株主第一主義」からの脱却

パネルディスカッションの冒頭に、司会の柳氏が米国のビジネスラウンドテーブルが2019年8月19日付で発表した「企業の目的に関する声明」に触れました。ビジネスラウンドテーブルは、米国の主要企業が名を連ねる財界ロビー団体で、1978年以降、コーポレート・ガバナンス(企業統治)原則を定期的に公表してきました。1997年以降、企業は第一に株主に仕えるために存在するという「株主第一主義」の原則を表明してきました。

今回の声明では、「全ての利害関係者が不可欠の存在である。私たちは会社、コミュニティー、国家の成功のために、その全員に価値をもたらすことを約束する」と明示しており、「株主第一主義」から脱却し、「全ての利害関係者」を重視し、自社の利益の最大化だけでなくパーパス(Purpose) の実現を目指すべきだという姿勢を表明しました。「全ての利害関係者」とは、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主を指し、企業のパーパス(Purpose) が対象毎に明示されました。2019年10月25日現在、アマゾンやアップル、JPモルガン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、バンク・オブ・アメリカなどを含む183の企業CEOが署名しています。

企業のパーパス(Purpose)

● 顧客への価値提供:我々は消費者の期待に応え、さらにその期待を上回ることで道を切り開いていくというアメリカ企業の伝統を推進していく。

● 従業員への投資:従業員への投資は、従業員を平等に保障し、重要な恩恵を与えることから始まる。急速に変化する世界で生き残るために、新たな技術を習得する手助けとなる訓練や教育を行い、従業員を支援する。ダイバーシティとインクルージョン、尊厳と尊敬を育んでいく。

● サプライヤーを公平に、倫理的に扱う:規模の大小を問わず、他の企業と良いパートナーになるために尽力する。それはミッションを達成することにもつながる。

● 事業を行う地域社会を支援:ビジネス全体を通して持続可能な取り組みを行うことで、地域社会の人を尊重し、環境を保全する。

● 企業が投資し、成長し、改革を行うための資本を提供してくれる株主の長期的価値を創造:株主に対し、透明性の確保と効果的なエンゲージメント(対話)を行う責任を果たす。

ESG投資

ビジネスラウンドテーブルで、このような声明が発表されるというのは、資本主義の転換点に差し掛かっている様子が窺えます。現在、投資家が注目している指標として、ESG投資があります。ESGは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)を表し、長期投資家たちは、効率的な利益を優先したROEを重視する投資スタイルを見直し、徐々に環境、社会、企業統治に注目した投資先を探すようになってきています。「企業の目的に関する声明」は、その動きに呼応した内容となっていると言えるでしょう。


パネルディスカッションの中で、山名氏は、ESGは経営戦略であると繰り返されました。コニカミノルタ社では、月例の取締役会とは別に、月に1回取締役を集め、ESGへの理解を促すコミュニケーションの場を設けていると実例を挙げていました。同社では、CO2排出削減に取り組み、電力の調達を2050年までに100%再生可能エネルギーにすることを目標にしています。

また、山名氏は、ESG投資は、日本に以前からある利他の精神に基づいた経営であるとも主張されていました。自分たちの利益だけを優先するのでは、この先の企業経営は立ち行かないという視座を持って、企業経営をされていることがよく伝わってきました。複数のパネリストから、ESG投資においては、日本は先進国であり、日本らしいESG投資のあり方を模索しても良いのではないかという提案がありました。

ESG投資とマインドフルネス

マインドフルネスプロジェクト が注目したのは、ビジネスラウンドテーブルの声明内容の「従業員への投資」の部分です。従業員に適切な訓練や教育を実施することは、企業の持続可能な成長を支えるための投資です。従業員が自らの強みを生かし、生き生きと働くことができれば生産性は上がり、心理的安全性の下に上司と部下もしくはメンバー間のコミュニケーションが円滑になれば、組織が活性化します。

株主を優先したROE経営では、リソースを最小化しコスト削減をすることで生産性や効率性を高めようとしてきました。ESG投資やSDGsの流れは、企業にとって、人が利益や成長の源泉であることに立ち返る良い機会になるのではないでしょうか。その時、忘れてはならないのは、人はロボットではないという当たり前のことです。人には心があり感情があります。それらを無視して企業経営は成り立ちません。今、企業経営者に求められているのは、従業員の心や気持ちに寄り添った企業経営ではないでしょうか。

そのことを実現するために、心や体で起こっていること、周囲で起こっていることに気づく「マインドフルネス」や、自分の気持ちと相手の気持ちを理解しその情報を使って自らの行動を選択していく「エモーショナルインテリジェンス」は、有効なアプローチと考えられます。

マインドフルネスプロジェクト は、2019年10月24日付で、須藤商店(代表 須藤秀樹)とスポンサーシップ契約を締結しましたのでお知らせします。

2020年2月1日、2日に開催予定のサーチ・インサイド・ユアセルフの開催趣旨にご賛同いただき、本プログラム開催にあたり、須藤商店にご協力いただくことになりました。

須藤商店は、横浜拠点にした、Web関連の企画、ノウハウ提供を軸に、サイト制作、SEO対策(検索エンジン対策)、Web集客に関するコンサルティングサービスを提供しております。また、ウェルネス事業としてマインドフルネストレッキングやトレイルランニングの企画を準備しております。


須藤商店代表 須藤秀樹 

「私は「マインドフルネス」というキーワードが日本でも耳に入り出してくる前から「マインドフルネス的」なことを実践してました。山を100km以上走るトレイルランニングや空手では呼吸に集中し、自分自身の心の声に耳を傾ける。自分が思ったことをただただ書き続けるジャーナリング。マインドフルネスプロジェクト 代表である伊藤氏との会話を通じて、「今までやってきたことはマインドフルネスだった」と気づきました。マインドフルネスを知れば知るほど、生活にも仕事にも役立っていることにも気づきました。私自身、より深く学びたくなったマインドフルネスを伊藤氏と協業で日本中に広められたらと考えております。」


マインドフルネスプロジェクト 代表伊藤穣

「SIYの趣旨をご理解いただき、須藤商店がスポンサーとしてご協力いただけることを大変喜ばしく思いますし、本プログラムを提供する上で心強く感じます。須藤商店代表の須藤秀樹氏は、ご自身で瞑想に取り組まれるだけでなく、トレランや空手などの競技に参加するアスリートでもあります。彼の肉体的な挑戦とその精神性には多くの人が励まされ、私自身大いに敬服しております。トレランはマインドフルネスだと明言され、今後、須藤商店とマインドフルネスを伝える機会や協業の機会が増えていくことを楽しみにしております。」







http://mindfulness-project.jp




【本件に関するお問い合わせ先】  http://mindfulness-project.jp/contact/

マインドフルネスプロジェクト は、2020年2月1日〜2日にサーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)のコアプログラムを一般個人向けに東京で開催します。



講師は、SIY認定講師であるマインドフルネスプロジェクト 代表伊藤穣とパートナーであるMindfulness with Emi代表の飯塚えみの両名が担当します。SIYプログラムは米国SIYLI(Search Inside Yourself Leadership Institute)が認める組織と講師によってのみ教えられるプログラムです。

マインドフルネスプロジェクト代表 伊藤穣

「私自身、SIYを3年前に受講しました。SIYは、自分の人生を色々と考えるきっかけになったプログラムです。そのSIYを皆様にお届けできることを大変嬉しく思います。2日間というのは、人生の長さに比べれば大変短い期間ですが、一旦立ち止り現在の自分自身を見つめ直すとても良い機会になると思います。皆様とともに心の旅を楽しんでまいりたいと思います。会場でお会いできることを楽しみにしております。」




Mindfulness with Emi代表 飯塚えみ

「初めてSearch inside Yourselfの本を読んだ時、こんなにも誰にでもアクセスできるマインドフルネスの伝え方があるものか、と感銘を受けました。ビジネス向けのマインドフルネスプログラムだと言っても、成功法則や自己啓発ではなく、ヨガや宗教の話もなく、心のあり方や自分の知り方を伝えていく平和への本でした。 そして実際にこの2日間のプログラムを受け、心の壁が剥がれていくのを体験しました。このプログラムをシェアできることになって、とても嬉しいです。」



セミナーの詳細は近日中に発表します。

申込受付は、2020年10月21日金曜日より受付開始です。
超早割設定をしてありますので、ぜひご活用くださいませ。

SIY開催概要はこちらからどうぞ。
http://mindfulness-project.jp/siy/


http://mindfulness-project.jp

主催 マインドフルネスプロジェクト




https://www.emiiizuka.com

パートナー Mindfulness with Emi



マインドフルネスプロジェクト は、2019年10月7日付で、Mindfulness with Emi(代表 飯塚えみ)とパートナーシップ契約を締結しましたのでお知らせします。

今後、マインドフルネスプロジェクト とMindfulness with Emiは、マインドフルネス研修やリーダーシップ研修などの人材開発分野やウェルネス分野において協業し、日本企業の抱える諸問題、「経営力強化」「組織活性化」「生産性向上」「健康増進」にアプローチして参ります。


また、Mindfulness with Emi 代表 飯塚えみ氏は、サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)の認定講師であり、個人向け及び企業向けのSIYプログラムのファシリテーターとしても協業して参ります。


Mindfulness with Emi 代表 飯塚えみ


「マインドフルネスプロジェクト 代表伊藤みのるさんとマインドフルネスパートナーとしてこのマインドフルネスジャーニーをシェアできるのを大変嬉しく思っています。 彼が人生できっと培われたのであろう深さと落ち着き、そして天性の優しさを本当に尊敬しています。私たちのビジョンである、心からの、そしてさらけ出した自分を受け止めていくようなマインドフルネスを伝えていきたいです。」






マインドフルネスプロジェクト 代表 伊藤穣

「パートナーとして、Mindfulness with Emiと協力してマインドフルネスを日本の皆様にお伝えできることを大変嬉しく思います。代表の飯塚えみさんが長年のマインドフルネス瞑想の実践で培った経験と智慧は、みなさまに多くの気づきをもたらしてくれることでしょう。彼女の思いやりと明るい笑顔、そして愛情溢れるガイドをぜひ体験していただきたいと思います。えみさんと共にみなさまが新たなる自分との出会いを楽しめる機会を作っていけることが本当に楽しみです。」







【本件に関するお問い合わせ先】 http://mindfulness-project.jp/contact/

2020年10月1日に大手町で開催された「AI革命時代のマインドフルネス~スタンフォード×鎌倉でヒトの進化を考える」のレポートです。スタンフォード大学のスティーヴン・マーフィ重松教授、Zen2.0代表理事の宍戸幹央氏、立教大学特任教授の梅本龍夫氏の3名が登壇しました。

宍戸氏は、マインドフルネスの基本事項やAIによる社会構造の変化、鎌倉での実験的な試みについて、お話されました。マーフィ教授は、自身のライフストーリーとアメリカでマインドフルネスを授業に取り入れている理由について、お話しされました。

中でも印象的だったマーフィ教授の「ハーフムーン」のお話を中心にお伝えします。

夜空を見上げると、月は満ち欠けていきます。満月の時もあれば半月、三日月の時もあります。でも実際に存在するのは、「フルムーンだけ」だとマーフィ教授は述べます。

半月や三日月なのは地球で夜空を眺め、太陽の光が当たる部分と当たらない影の部分があるから、私たちの目にはそのように見えているだけだということです。実際には影の部分にも月は存在し宇宙空間に浮かんでいます。


「我々人間も同じで、影のない人などいない、誰もが影の部分を持っている」とマーフィ教授は述べました。

フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSの投稿に上がってくるのは誰かの光の部分だけです。もしかしたら、その光にはいささかフェイクも混じっているかもしれません。普段、私たちは影の自分をさらけ出すことはあまりありません。VUCAの時代に私たちは様々な情報に翻弄され自分自身を見失いかけているのかもしれません。

マーフィ教授は、幼少期には、静かで平和な子で、クリスチャンの父と仏教徒の母に育てられたということでした。ところが、20代の頃にエリートとして学歴社会の競争で疲弊し、人とのつながり、社会とのつながり、自分とのつながりを失っていたそうです。マーフィ教授自身がダックシンドロームだったのかもしれません。


その頃、住んでいた3階建のアパートが火事で全焼し、ギターとシャツ以外は全てを失ったそうです。「この体験が自分の人生を変革した。」とマーフィ教授は述べました。全てを失い、古いものを手放すことで新しい道ができ、生まれ変わることができたのだそうです。


マーフィ教授は、日本の伝統工芸技術の金継ぎについて触れました。金継ぎは割れた器をもう一度使う物を大切に扱う精神を体現する先人の知恵です。割れた部分を隠すのではなく金で繋ぎ、敢えて目立たせ器を輝かせデザインを楽しむ創意工夫です。割れた器は割れたことでより美しく愛される器となります。

私たちは競争社会の中で、ハーフムーンの光が当たってる部分だけを強調して影の部分は存在しないかのように一生懸命に誤魔化そうとします。「実際には影の部分も存在し、その影の部分も含めて自分自身であり、そこには影のあるフルムーンだけが存在するのだ」とマーフィ教授は述べました。

「ハーフムーンなんて存在しないのである。」と。

「自分を変えたければ、まず自分を受け入れることだ。自分を変えようとするのではなく、影の部分も含めて完全に自分を受け入れることができれば、自分自身は変わっていく。これはパラドックスだ。」とマーフィ教授は述べました。


よく見せようと強みを主張すれば競争が生まれます。そして、かつてのマーフィ教授がそうであったように、もしくは、現代の私たちのように疲弊していきます。

強みを見せ合っても繋がることは難しいのです。弱みを見せそれを認め合った時、繋がりが生まれ、金継ぎをされた器のように、本当の自分が受け入れられ人から愛されます。

グーグルのアリストテレスプロジェクトでも心理的安全性のある環境が最も生産的なチームであることが示されています。もちろん強みが重要でないということではありません。弱みを見せ合える信頼関係の中で強みはさらに生かされ、お互い補い合いながらチームビルディングができるということです。

会社組織の中で、弱みを見せ合って仕事をするのは簡単ではありません。日本社会のカルチャーを踏まえれば、尚更です。しかし、時代は気づき始めているのかもしれません。私たちはおかしいと気づき始めているのかもしれません。だから、この講演にも160名もの人が何かを期待して集まったのでしょう。


マインドフルネスは意識の状態だと宍戸氏は説明しました。マインドフルネスは気づいている状態です。自分自身、相手、社会、宇宙に気づいていく、ということです。自分自身と向き合う時、私たちは、自分の影の部分を認め受け入れられるでしょうか。

私たちは、普段、影の部分やネガティブなものから逃れようとしたり、塞ごうとしたり、見て見ぬふりをしようとします。しかし、大切なことは、影の部分も含めて自分であることに気づいていくことです。「評価や判断をすることなくありのままに見ていく」と言うことです。

マインドフルネスには様々な定義がありますが、宍戸氏が示した定義の一つがそれをよく説明しています。

「子供の頃言葉を覚える以前に体験していた世界の見方」


私たちは、日頃の半分が上の空、いわゆるマインドワンダリングな状態と言われ、このような状態の時には、幸福感が低いと考えられています。過去の経験や信念が、思い込みや囚われになり、反射的、衝動的に反応してしまうオートパイロット状態に陥りやすくなります。

このような状態からマインドフルな状態になるためには、「気づく」ことです。その方法には瞑想を始め、トレランやヨガ、写経や華道、茶道など様々なアプローチがあります。

「武士が座禅を組んでいたのも、いついかなる時も冷静に対応するためであった」と宍戸氏は説明しました。

自分とつながることができれば、他者との繋がりが生まれ、社会、宇宙との繋がりが生まれます。


マインドフルネスは、自分を知って満足するものではなく、社会との関係性を築きその繋がりの中で、他者も自己も生かし生かされ共に生きていくための
ツールとなります。


マインドフルネス瞑想の実践で自分自身と向き合い、影の部分を受け入れ、本来の自分と繋がっていく時、今まで見ていた世界とは違う世界が現れます。物の見方が変わるということは、自分の住む世界が変わるということになります。仮住まいのフルムーンではなく、影のあるフルムーンの住人になるということです。

マーフィ教授が引用したアウシュビッツの生き残りで社会心理学者ヴィクトールフランクルの言葉で締めくくりましょう。

「人生に何を求めるかを問うのをやめ、人生が私に何を求めるているのかを問うように考えなければならない。」


これは「夜と霧」の中に出てくる言葉です。明日命を絶たれるかもしれない過酷な状況の中で自ら命を断とうとする者たちを勇気付け思いとどまらせた時にヴィクトールフランクルが語った言葉とされています。

私たちの人生は私たちに何を求めているのでしょうか。

今夜は雲に隠れて月の姿は見えません。でも気づいています。そこにあるのはフルムーンだということを。