【Vol.19】 リーダーシップの成功はEIが9割 〜リーダーシップとEIに関わる研究結果〜
心の旅:前回は、リーダーシップとは何か、リーダーの役割は何かを整理しました。
ソラ:それと、尊敬できるリーダーの特徴を挙げて、EIの要素が大切だということも分かったわね。
心の旅:リーダーシップとEIに関わる研究というのはあるんですか?
Mr. SIY: もちろん、あります。例えば、15の地域300名のトップ・エグゼクティブを対象に行ったある調査では、85-90%のリーダーシップの成功はEIと結びついていると報告されています。
心の旅:85-90%というのは、かなり高い比率ですね。
ソラ:EIなしではリーダーシップはありえないって感じね。
Mr. SIY: 他にも、2014年に、ジョン・H・ゼンガー(ゼンガー・フォークマン社 共同創設者兼CEO)、ジョセフ・R ・フォークマン(同社、共同創設者兼社長)がリーダー約30万人を対象に行った研究を紹介しておきましょう。この調査で、彼らは、リーダーに必要な資質16の項目に順位付けをしました。以下が上位8項目です。
- 周囲の人たちを鼓舞し、動機づける
- 正直で誠実である
- 問題を解決し、問題点を分析する
- 結果を重視する
- 精力的にさまざまな人たちとコミュニケーションを図る
- 協働し、チームワークを育む
- 人間関係を築く
- 専門能力を示す
3番目の「問題を解決し、問題点を分析する」と8番目の「専門能力を示す」がいわゆるIQに関わる能力です。
ソラ:IQは、上位8項目の内2個だけですか。
Mr. SIY: そうなんです。残りの6項目はEIの能力になります。
心の旅: 6/8がEI。
Mr. SIY: はい。私たちは、スキルアップしようとすると、IQを高める研修を受けたり、本を読んだりすることが多いかもしれませんが、優れたリーダーになるためには、むしろEIを開発していくことが大切なことがよくわかる調査結果と言えるでしょう。
心の旅: このデータは納得感がありますね。部下の立場から優れたリーダーかどうかを考える時には、その人が仕事ができるのは当然で、その上で人間としてその人がどうなのかということがより重要だと感じます。
ソラ:ざっくり言えば、その人と一緒に仕事したいかどうか、よね。好き、嫌いで仕事を選り好みするのもよろしくないかもしれないけれど、綺麗事ばかり言ってられないわ。人間だもの。
心の旅: 同じことを指示されても、指示する人によって、こっちのやる気が変わってくることもあるしなあ。この人のために頑張って仕事しようって思えるかどうか。自分がリーダーになるなら、みんなにやる気になってもらえるようなリーダーになりたいなあ。
ソラ:私も同じだわ。やっぱり一緒に仕事する仲間とは楽しくやりたいしね。
Mr. SIY:お二人とも自分が理想とするリーダーのイメージが湧いてきたようですね。
心の旅:イメージは、なんとなくできてきましたが。。。
ソラ:自分が実際にそうなれるかどうかは。。。。。
Mr. SIY:あれあれ。なんだか先程までの勢いが感じられませんね。Vol.17で言っていたダニエル・ゴールマンの言葉を思い出してみましょう。
心の旅:あ。「EIは先天的なものではなく、習得することができる」ということ言葉ですね。
ソラ:とは言うものの、本当に自分がEIを高めてリーダーシップを発揮できるかどうか。。。
Mr. SIY:自信が持てないということですね。わかりました。最後に、もう1つの調査結果をご紹介しましょう。これは、米国の政府機関のリーダーを対象に行なった調査(SmartTalent社)です。EIを開発したことでコミュニケーションの質と深さが63%改善、対立にうまく対処できる能力が93%改善、変化への効率的な対応が57%改善、などの報告があります。
ソラ:コミュニケーションと対応力、リーダーに必要なスキルですね。
心の旅:かなり高い改善率ですね。
ソラ:私にもEI開発できるかしら。
Mr. SIY:もちろん、お二人にもできますよ!大切なことは、科学的に有効性が確認されている正しいアプローチ方法を選ぶことです。一定の時間がかかり、トレーニングが必要になりますが、アプローチ方法を間違えなければ、成果は必ず出てきます。
ソラ:Mr.SIYにそう言われると、なんだか少しできそうな気がしてきたかも。
心の旅:自分らしいリーダーになるためにもEIを開発していきたいです!