【Vol.12】肩書きを脇に置く 〜心理的安全性〜
心の旅: サーチ・インサイド・ユアセルフのコアプログラム では、ルールのようなものはあるのですか?
Mr. SIY: はい。グラウンドルールがいくつかあります。サーチ・インサイド・ユアセルフは2日間、14時間に渡るプログラムなので、皆さんの協力のもとに進行していきます。いくつかあるのですが、最も大事なことは、心理的安全性の確保です。
ソラ:心理的安全性?ですか。
Mr. SIY: はい。みんなで安全な場所を作っていきましょうということです。
心の旅: というと?
Mr. SIY: プログラム中に話したことや聞いたことは、会場から一歩外に出たら、他言無用にしましょうということです。プログラムの中でワークをやった後にみんなで気づいたことや感想を共有することがあります。どう感じてるか。どう考えてるか。そのことを安心して話せる場所ですよ、ということです。
ソラ:心理的安全性はなんで大切なんですか?
Mr. SIY: まずは、気づいたことや感想を述べるときのハードルを下げるためです。本当の気づきを得ていくには、相手に良い印象を与えようとするのではなく、できるだけありのままに心の内を話すことが大切です。次に、人の感じ方や考え方を聞くことが実は自分のことを知る良い機会になり、上質な学びの場になるからです。
ソラ:確かに赤の他人に自分のことをさらけ出すのは、ちょっと恥ずかしかったり、抵抗があるかも。
Mr. SIY: ですよね。ここでは何を話しても許される、笑われることはない、そのような心理的に安全な場を作ることができれば、話し手はあまり構えずに話せます。ヴェガスルールという表現を聞いたことはありますか?
心の旅:ヴェガスルール?
Mr. SIY: はい。ラスベガスはご存知ですよね。
心の旅: ええ、まあ。豪華な食事やホテル、マライアキャリーやブルノマーズなどのライブ公演に、ルーレットとかスロットマシンとかギャンブル。大人の夜を楽しめるエンターテイメントもたくさんありますよね。
Mr. SIY: そうですね。 “What happens in Vegas, stays in Vegas.” という宣伝文句を聞いたことはありますか。直訳すると、ラスベガスで起こったことはラスベガスの中に置いていくという意味で、誰にもバレないから思いっきり弾けて遊んじゃおうってことです。
ソラ:パーティタイム!楽しそう!
Mr. SIY: まあ、サーチ・インサイド・ユアセルフはパーティではありませんし、ラスベガスでもないのでギャンブルもエンターテイメントもありませんが(笑)、「ヴェガスルールで話そう」というときは、「ここだけの話」という意味で、内密な相談事の時などに使われる表現です。日本語では、「旅の恥はかき捨て」と言ったところでしょう。
ソラ:旅先では知ってる人もいないから、普段ならしないような恥ずかしいこともやってしまうってことですね。
Mr. SIY: はい。私はこのサーチ・インサイド・ユアセルフのプログラムを「ジャーニー」とか「心の旅」と表現するのですが、まさに旅の恥はかき捨てで、どんどん発言をして学びの機会を作って欲しいと思っています。
心の旅: はっ!「心の旅!」It’ My Name!!(なぜか英語)、「 サーチ・インサイド・ユアセルフ」、なんだか親近感湧くなあ。
Mr. SIY: はい。初めて心の旅さんのお名前を伺った時は、このプログラムのゲストにぴったりだと思いましたよ。まあ、今はココタビさんになっちゃいましたけどね、笑。
心の旅: そうだったんですね。改めてよろしくお願いします。
ソラ:ココタビさんの名前、「心の旅」いい名前ですよね。ジャーニー楽しみましょう!
Mr. SIY: はい。どんどん恥をかいて、楽しく学んで参りましょう。実は自分の言葉で話すことはとても大切です。ただ頭の中や心の中に収めておくだけではなくて、それを表現してみることで自分の思考や感情に改めて気づくこともできます。実際のサーチ・インサイド・ユアセルフのコアプログラムでは、みんなの前で発言する機会もあるので、ぜひその機会を活用して欲しいです。それは他の参加者のためになるだけでなく、自分自身の学びにもなります。
心の旅: 自分の言葉で表現。
ソラ:みんなの前で発言するのは緊張しそう〜。
Mr. SIY: 大丈夫ですよ。ベガスルールですから。それと、プログラム中は、人として存在することが大切ですね。
心の旅: 人として存在?ですか?
Mr. SIY: はい。私たちは、普段、父親、母親、とか上司、部下とか肩書きがありますよね。
ソラ:私の場合は、母親と課長という肩書きがありますね。当たり前ですが、職場と家庭では使い分けてます。
心の旅: 私の場合は、独身で世間ではゆとり世代と言われて、会社ではアカウントマネージャという肩書きです。
Mr. SIY: 家庭、会社、地域社会などそれぞれの帰属先で、肩書きもいろいろありますよね。大切なことは、私たちは肩書きそのものではないということです。肩書きはその方の役割を示すのには便利ですが、その方の個性や気持ちを表すものではありませんよね。
ソラ:役割には責任が伴いますから、個性よりもその役割を果たす目的のために行動して、自分の個性や感情は切り離されている気がしますね。
Mr. SIY: その通りですよね。私たちの肩書きは、私たち自身ではないということですね。父親、母親、社長、部長、ゆとり世代、ミレニアム世代である前に、役割や肩書きを超えて私たちは一人の人間であるということを思い出しておきましょう。一人一人の人間には体があり、心があるということも思い出しておきましょう。
ソラ:役割や肩書きを超える。
心の旅: 体と心。
Mr. SIY: はい。サーチ・インサイド・ユアセルフでは、2日間、肩書きを脇に置いて、一人の人間として存在し、自分の体と心と向き合っていきます。
ソラ:一人の人間として存在。
Mr. SIY: 人と比べないことも大切ですね。日本では空気を読むことが重んじられるので、あまり目立たないようにしたり、違いが現れないようにしますが、本来、個性や考え方、感じ方はそれぞれですから、違って当たり前なんですよね。
ソラ:空気読むし、比べちゃうなあ。
Mr. SIY: その気持ちはよく分かります。大切な事は、人と比べるのではなく、お互いを尊重して、違いを認めながらコミュニケーションをとるという事です。勝ち負けもありませんし、競争でもありません。比べるのなら過去の自分や未来の自分と比べましょう。
心の旅: 過去の自分と未来の自分かあ。同じ自分でも自分の中には、いろんな自分がいるような気がしてきました。
ソラ:心理的安全性に、一人の人間としての存在、人と比べない。なんだかルールを聞いてるだけで心が自由になってきた気がします。他にはどんなルールがあるんですか?
Mr. SIY: はい。体調管理やスマホの電源のオフ、ランチやコーヒーブレイクの楽しみ方などの協力をお願いします。
ソラ:2日間、14時間。長丁場ですものね。体調管理も大切ですね。スマホの電源オフかあ。SNSとかメールとか気になっちゃうかも。
Mr. SIY: スマホの電源オフには、抵抗がある人もいるかもしれませんね。プログラムが始まれば、作業やワークをする時間がたくさんあるので、思ってるよりもそんなに気にならないと思います。むしろ、みなさん夢中に実践に取り組んで、気づいたら、2日間があっという間に終わってるぐらいに、時間が飛んでいく感じだと思いますよ。
心の旅: Time flies(なぜかまた英語)
ソラ:コーヒーブレイクやランチはどんな感じなんですか。
Mr. SIY:心身をリフレッシュする意味でもコーヒーブレイクは大切なひと時になりますね。仲良くなった参加者同士で和やかに談笑したり、チョコレートでブドウ糖を補給したりします。どうしても連絡が必要な人はこの間に連絡しています。ランチは、マインドフルに食事をするマインドフルイーティングをやります。
心の旅: マインドフルイーティング。みんなで外食するわけじゃないんですね。
Mr. SIY: オフィシャルプログラムでは、主催者がランチを用意してそれをマインドフルにいただきます。これについてはまた改めてお話ししましょう。
ソラ:ご飯のお話しをしてたら、なんだかお腹が空いてきました、笑。
Mr. SIY: 今日はこれぐらいにして、ランチを食べに行きましょう。
2人:はい!