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マインドフルネス

【調査報告】マインドフルネスはダイエットに効果があるのか?

MB-EAT マインドフルネス ダイエット

マインドフルネスプロジェクトは、2021年6月、7月、2022年1月、2月にマインドフル・ダイエット「MB-EAT」を主催しました。「マインドフルネスが、なぜダイエットに効果があるのか」よく質問されます。この質問に対する答えを探るべく、参加者のアンケート結果から、ダイエットに対するマインドフルネスの有効性について報告します。

■ 日程(8週間+フォローアップ:各回2時間半)

第1回(2021年):6月11日、18日、25日、7月2日、9日、16日、23日、30日、9月3日
第2回(2022年):1月7日、14日、21日、28日、2月4日、11日、18日、25日、4月1日

■ プログラム内容

MB-EATは、マインドフルネスを活用した食行動問題の長期的解決を目指すプログラムです。科学的データからリバウンド率の低いダイエット方法として期待されています。多くのダイエット経験者が、リバウンドを経験します。MB-EATは過食の治療のため開発されました。

しかし、現在は健康に痩せたい全ての方に行われています。満足感や満腹感、味覚といった身体からのサインにマインドフルに耳を傾けることを学びます。意志の力や自己コントロールに頼るのではなく、種々の感情や身体からのサインに対する気づきを高め、同時に食べ物のカロリー量や栄養素についての客観的情報を活かすという、まさにバランスの取れた選択=知恵を獲得しようとする方法です。

MB-EAT マインドフルダイエット

■ インストラクター:関西医科大学 心療内科 荒木 久澄先生

国内では、マインドフルネス食観トレーニング(MB-EAT)認定インストラクターは、まだ5名しかおりません。荒木先生は、日本で最初にインストラクターを取得しました。

20年間、糖尿病・腎臓内科臨床医として働くうちに心理的要因が身体に及ぼす影響の重要さに気づく。心療内科を学びに心療内科発祥の地、九州大学へ、3年間研修する。その間、食行動を改善するマインドフルネス食観トレーニングに注目。開発者ジーン・クリステラー博士のもとで研修、認定インストラクターを取得し日本での普及を目指している。2020年4月から関西医科大学 心療内科に異動。その他心理学としてアドラー心理学を学んでいる。

■ 実践内容

マインドフルネスの実践内容としては、呼吸瞑想、観察瞑想、ボディスキャン、ヒーリングセルフタッチ、許しの瞑想、知恵の瞑想、自己受容の瞑想、慈悲の瞑想に取り組みます。参加者は、プログラム内で学んだことを次回のセッションまでにホームワークで復習します。結果的に、8週間の実践の継続機会が生まれます。これ以外に、マインドフル・イーティングの実践が4回あります。

■ 4つの要素

  1. 瞑想とマインドフルネス
  2. 身体と心についてマインドフルに認識する力
  3. 食べ物の価値と格闘するのではなく、むしろ進んで受け入れること
  4. 科学的根拠

MB-EATのプログラムは、上記4つの要素を中心に構成され、内なる知恵(体感覚や気づき)と外なる知恵(栄養学や心理学)をマインドフルネスの実践と参加者同士の交流を通じて深めていく内容となっております。

■ アンケート内容

  • 内容について
  • 学びについて
  • 課題に対して
  • 体調の変化
  • 体重の変化

参加者は、第1回、第2回合計で、26名です。医療従事者、学校教員、ヨガインストラクター、栄養士、会社員、主婦とさまざまな方が参加されています。アンケートには、13名の方にお応えいただきました。

■ アンケート結果

MB-EAT マインドフルネス ダイエットMB-EAT マインドフルネス ダイエット

内容については、9名が大変満足、3名が満足と、全員の方にご満足いただける結果となりました。一番の学びは、シェアリング(6名)となっております。シェアリングは、毎回、参加者がご自身の1週間を振り返り、MB-EATの学びを日常生活でどう活かしたか、うまくいったこと、うまくいかなかったことを参加者同士で共有することです。自分の経験を共有し、参加者同士の対話や荒木先生との対話から、新たな気づきが生まれます。次いで、内なる知恵、外なる知恵、瞑想の実践が2名づつ、それぞれのスタンスで学びを深めていただくことができました。

(学びについての感想)
  • 皆さんとのつながりが楽しかった。先生の一人一人に対するコメントが参考になった。個人的には生活習慣の質が上がった。
  • 仕事も環境も違う仲間が、1毎回1ヶ月のシェアをする中で、荒木先生が、丁寧に話を聞いて下さり、コメントをされる内容が、自分自身にも響き、活力になりました。皆んな同じように悩んで考えてるんだと、親近感も湧き、グループダイナミクスも起きていたと思います。
  • シェアリングで対話をすることでセッションでの知的な理解やワークでの学びが自分の中の納まりの良い体験になったと思います。
  • 外なる智慧、内なる智慧、シェアリング、先生からの言葉、多方面からアプローチがくるので回が進むごとに理解が深まりました。 メンバーも食欲に対して色んな段階の方がいて、それもまた刺激と学びになり回を追うごとにこのプログラムの力を感じました。

MB-EAT マインドフルネス ダイエット

参加者の課題に対して、大変参考になった8名、参考になった5名、と課題解決への糸口になった結果となっております。内なる知恵と外なる知恵、マインドフルネスの実践と体系的に網羅的に学びを深めることによって、それぞれの課題に対して、適切なアプローチができた結果と考えられます。

(課題についての感想)
  • 食欲は頭で感じるものと身体で感じるものでは差があるのだなと思いました。今後はもっと自分の身体に意識を向けていきたいです。
  • 食欲に執着する時間が少なくなり、他のことに自分の時間や気持ちを使えるようになるかもしれない、という漠然とした期待感がちょぴっと湧いてきています。
  • 内なる智慧、外なる智慧、先生の言葉、シェアリングが 相乗効果でセッションの効果を高めているなと感じました。 始めそんなに期待していなかったんですが、回を追うごとになかば無意識的にむやみに頑張らずに、でもどことなく自分の食欲への効果がでてきつつあると感じ始めました。無理にとか頑張るとかがなくセッションが組まれていて、先生の各メンバーへの対応も含め、楽に力を抜いて参加できる雰囲気があったので、良かったです。
  • とても楽しい2ヶ月間でした。ひとりでは気付けなかったことに沢山気付くことが出来ました。 そして、自分に必要なことと不要なことも何となくわかってきました。 今ここから繋がっている未来への「今この瞬間」を感じてこれからも過ごしていきたいなと思います。 食べることを難しくしていたのは私自身で、食べられること自体こそが喜びだと腑に落ちたとき、拘りが少し解れたような気がします。

MB-EAT マインドフルネス ダイエットMB-EAT マインドフルネス ダイエット

プログラム参加前に比べて、体調は変化したかという質問に対しては、「とても良くなった」4名、「良くなった」6名、「変わらなかった」3名となっています。体重は、「3キロ以上減った」3名、「3キロ未満減った」7名、「変わらなかった」1名、「3キロ未満増えた」1名となりました。MB-EATは単なるダイエット・プログラムではなく、健康的にライフスタイルを整えていき、結果的に体重が減少する内容となっていることを裏付ける結果となりました。

(食事の変化、体調の変化、自分の変化についての感想)
  • 前よりお食事の時間を大切に、気持ちを食べることに集中するようになった
  • 野菜を中心に食べるようになり、肌の調子がとてもよくなったように思います。かさかさがもちもち?になりました。
  • 朝、昼、夕食のバランスが変わった
  • 間食が、かなり減りました。情動的摂食で食べていた間食が、いざ食べてみるとあまり美味しくない経験をして、別に食べなくてもいいやと思えるようになりました。
  • 今、じぶんの胃袋はどのくらい満たされているか、身体と対話してみるようになった
  • 間食も含めて、本当に食べたいものを食べたいだけ、食べるようになりました。
  • 疲れにくくなった
  • 痛みに対する軽減がとてもあり、ボディスキャンを行う事で痛みから少しずつ解放されていき、よく眠れるようになりました。
  • とらわれない自分になれた。

■ 考察

「マインドフルネスが、なぜダイエットに効果があるのか」よく質問されます。MB-EATでは、2つの答えを用意しています。1つは、満腹感や満足感、胃の膨らみ具合など自分の体の状態にマインドフルに気づくこと、もう1つは、1食を丁寧にマインドフルに食べることで本当に必要な量に気づくことです。この2つのことを体と心で体感するために、様々な瞑想の実践をプログラム内で学びます。また、どのような食事が健康的であり、自分にふさわしい栄養バランスなのかを栄養学の側面から知識を学び、その知識をいかに実践に活かすことができるのかを学んでいきます。

「今、じぶんの胃袋はどのくらい満たされているか、身体と対話してみるようになった」

「間食も含めて、本当に食べたいものを食べたいだけ、食べるようになりました」

「前よりお食事の時間を大切に、気持ちを食べることに集中するようになった」

今回のアンケート結果から、参加者の方がご自身の体に向き合うことで、体の状態に気づくことができるようになったり、自分が本来食べる分量に気づくことができるようになったり、食べることそのものに対する考え方に変化が現れたりしたのは、まさに上記のアプローチを参加者が学習した結果と言えるでしょう。

「内なる智慧、外なる智慧、先生の言葉、シェアリングが 相乗効果でセッションの効果を高めているなと感じました。 始めそんなに期待していなかったんですが、回を追うごとになかば無意識的にむやみに頑張らずに、でもどことなく自分の食欲への効果がでてきつつあると感じ始めました。無理にとか頑張るとかがなくセッションが組まれていて、先生の各メンバーへの対応も含め、楽に力を抜いて参加できる雰囲気があったので、良かったです」

MB-EATでは、ストイックな食事制限をしたり、極端な偏りのある食事をすすめるようなことはありません。各人の生物学的個体差があることを前提に、それぞれにふさわしい食事の分量やバランスを8週間のプログラムを通じて、自分自身で学び取っていきます。シェアリングは、その経験を参加者全員で共有し、自分との共通点や相違点を見出す機会となり、学びをより一層深めていくことにつながったと考えられます。

以上のようなプロセスと学びを経て、体重が、「3キロ以上減った」人が3名、「3キロ未満減った」人が7名という結果になりました。MB-EATは単なるダイエット・プログラムではなく、健康的にライフスタイルを整えていき、結果的に体重が減少する内容となっていることを裏付ける結果となりました。MB-EATは、リバウンド率が低いことで知られています。今回のプログラム参加者の変化が、継続しているかどうかを定点観測していく必要があるでしょう。そのために、MB-EAT参加者は、3ヶ月おきのフォローアッププログラムに参加することができます。フォローアッププログラムに関する追跡調査については、別途報告したく考えております。

(全般的な感想)
  • 受容と緊張を併せ持った3ヶ月でした。毎日の瞑想が下支えになり、淡々と継続する事が習慣になりつつあります。
  • 講師が終始一貫して、各メンバーに対する応対が否定せずに聴く、いい所をみつけて言葉にして伝えるという姿勢だったので、とても安心感がもてました。何を発言しても大丈夫という安心感とリラックスした気持ちになれたので、変なプレッシャーや気構えや気遣いなく、気持ち良く参加できたのがとても良かったです。 周りのメンバーへのそういう言葉を聞くと、私自身も嬉しくなりました。
  • すべてを柔らかく受け止めるプログラム・先生でしたので、宿題の通り行動できなくても、長い目で取り組もうという気持ちになれましたし、多様な受講生とご一緒することにより、自分の「普通」や「基準」が「思い込み」であったりすることに気づかされ、視野が広がりました
  • マインドフルネスというと、それがすべてを解決してくれるように紹介されることも多いですし、デモの呼吸瞑想で「すっきりした」等の感想が出ると、ますます懐疑的になるのですが、このプログラムでは始めに「練習と忍耐」と位置づけられたので、魔法のような効果が見られなくても落ち着いていられました。また、シェアリングで他の方の気づきや感想を聞くのは、「人間の多様性」を実感できてとても興味深かったです。内なる知恵を体得するにはまだまだですが、近づく努力を続けたいと思わせていただきました。

■ 第3回 MB-EAT正式プログラム

主催: マインドフルネスプロジェクト
講師: 関西医科大学 心療内科 荒木 久澄先生
日時: 全8回+フォローアップ1回
金曜日:7月1日、8日、15日、22日、29日
金曜日:8月5日、12日、19日
フォローアップ 9月16日@19時半〜22時
時間: 19時半〜22時
会場: オンライン
(申込)https://mb-eat3.peatix.com/

MB-EAT マインドフルダイエット

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