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コラム

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マインドフルネス

〜好奇心〜 マインドフルネスで大切にされる心の姿勢

センス・オブ・ワンダー マインドフルネス

マインドフルネスでは、大切にする心の姿勢がいくつかあります。そのうちの1つが好奇心です。例えば、イギリス政府の調査レポートに記載されているマインドフルネスの定義は以下の通りです。

マインドフルネスとは、心、身体、そして周囲で今の瞬間に起っていることに好奇心と優しさを持って注意を向けること (Mindful Nation UK Report,2015)

好奇心とは

好奇心とはなんでしょうか。

デジタル大辞泉によれば、好奇心とは、「珍しいことや未知のことなどに興味をもつ心」となっています。

旅行に行くと、街の通りを歩いているだけでワクワクすることがありますよね。

この街にはどんなお店があるのだろう。
今日はどんな人に会うのだろう。
ランチはどこで何を食べようか。

一歩一歩が新鮮で、驚きと感動で満たされていくあのワクワクする感覚。
旅先では自然と好奇心が湧き起こり、出会う店、人、食事の1つ1つに注意が向きやすくなっていきます。

注意が今この瞬間に向かっている時には、その瞬間をしっかりと経験することができます。

ところがこれが日常生活や決めれた仕事をする時には、マンネリ化してしまいなかなか好奇心が湧き起こってきません。この時に私たちの心は心ここに在らずの状態に陥り、目の前のことを疎かにして気付きにくくなってしまうことがあります。

今、この瞬間に何が起こっているのか。
一体私の心にはどんな気持ちがあるだろうか。
一体私の体にはどんな反応が現れているだろうか。
一体目の前のこの人は私に何を伝えようとしているのか。

センス・オブ・ワンダー

子供が新鮮な眼差しでこの世界を眺めるように、今この瞬間起こっていることに好奇心を持って注意を向けることで、日常生活の彩りが変わったり、仕事の意味合いが変わってくるものです。レイチェル・カーソンは、著書「センス・オブ・ワンダー」の中で、以下のように述べています。

センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見張る感性)は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する変わらぬ解毒剤になる

好奇心を持つことで、物事をより深くより細かく解像度を上げて気づくことができるようになり、現実をありのままに見ることができるようになります。偏見や思い込みなどの心の色眼鏡を外して、好奇な眼差しを向けることで、今まで見えていなかったものが見えるようになってきます。

ノーベル物理学賞と好奇心

ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏は、好奇心が研究の原動力だったとインタビューで応えています。

研究を始めたころは、こんな大きな結果を生むとは想像していなかった。好奇心が原動力になった。後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めた時にはその貢献の重要さに誰も気付かないものだと思う

好奇心は、行動のエネルギーになり、その行動を継続していく力になることが伝わる言葉です。

 

好奇心とマインドフルネス瞑想の実践

マインドフルネス瞑想を習慣化するためには、毎回行う瞑想をはじめて行うかのように好奇心を持って取り組むことが1つの鍵となります。これから行う瞑想で私は、どんな風に新たな私と出会うのだろうか、私の知らない私が現れるだろうか。呼吸瞑想であれば、子供が世界を眺めるように、科学者が研究に打ち込むように、呼吸そのものに好奇心を持って注意を向けます。この呼吸は浅いか深いか、長いか短いか、強いか弱いか。呼吸はいつ始まり、その呼吸はいつ終わるのか。好奇心を持つことで、1つ1つの呼吸と丁寧に向き合うことができるようになります。そして、好奇心が自分の心象風景の解像度を高めてくれます。

ぜひ、好奇心を持って仕事に取り組み、好奇心を持って同僚や上司と話をし、好奇心を持って今行っていることに注意を向けてみてください。

自分の住む世界の見え方が変わってくるかもしれません。
みなさまの人生が実りある豊かなものになりますよう。

 

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