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コラム

Column

エモーショナル・インテリジェンス(EI)

レジリエンスを高める3つのポイント

レジリエンス

コロナ禍になり、私たちの働き方や生活はガラッと変わりました。このような変化にうまく対応できる人とそうではない人がいます。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?

VUCAを乗りこなす

私たちの取り巻く世界をVUCAと表現することがあります。VUCAとは、変化が激しく(Volatile)、不確かで(Uncertain)、複雑で(Complex)、曖昧な(Ambiguous)世界のことです。コロナ禍、戦争、環境破壊、などはその象徴的な出来事です。不透明なVUCAの世界では、過去の成功体験が通じないことがあります。また、テクノロジーは秒進分歩で進化し事業環境があっという間に様変わりし、正解を1つに絞り込むことが難しくなります。

生きにくく、安定したパフォーマンスを発揮することは難しいけれど、ある意味エキサイティングな時を過ごしているという見方もできるかもしれません。見方によっては、VUCAの世界をポジティブに捉えることもできれば、ネガティブに捉えることもできます。この捉え方の違いを生み出すのがレジリエンスです。レジリエンスが高ければ、サーファーが大きな波を乗りこなすように、この難しい局面を自分の学びや成長につなげる経験として乗り越えていくことが可能になっていきます。

レジリエンスとは何か?

一言でざっくり言えば、レジリエンスとは、「変化への適応力」であり、「心の回復力」です。アメリカ心理学会の定義は以下の通りです。

「逆境、トラウマ、悲劇、脅威、極度のストレスに直面する中で適応していくプロセス」

レジリエンスが高ければ、困難な状況にもうまく対応することができて、自分自身を目的に向かってナビゲートしていくことが可能です。私たちは、困難な状況に陥れば、多かれ少なかれ、慌てたり、苛立ったり、不安を感じたりします。このようにネガティブな感情が生まれるのは至って自然なことです。ただ、そのネガティブな感情に対してどのような反応をするかは人それぞれ個人差があります。その個人差こそレジリエンスの違いによるものです。

ネガティブな感情にどう向き合うか

人によっては、ネガティブな感情に溺れ、いつまでも感情に引き摺られたまま気持ちを立て直すことができないこともあります。一方で、気持ちをリセットして前向きに進んでいける人もいます。この違いはどこから生まれるかというと、ネガティブな感情に対しての向き合い方の違いによります。ネガティブな感情を否定したり、無視したりしても、感情そのものが消えることはありません。そのようなことをしても、むしろ、そのまま心に居座ってしまうこともあるでしょう。レジリエンスの1つのポイントは、ネガティブな感情を認め受け入れることです。

困難な状況をどう捉えるか

また、困難な状況そのものをどのように捉え、どのように行動を起こしていくかも人それぞれ個人差があります。その個人差もレジリエンスの違いによるものです。困難な状況を悲観的に捉える人は、その状況から自力で立ち直ることが難しくなります。いつまでもその状況が続いてしまうと考えたり、何をやってもうまくいかないと考えたりすると、無気力状態に陥ってしまうことがあります。一方で、困難な状況であっても、楽観的にその状況を捉えることができれば、心にゆとりが生まれ立ち直るための足がかりを作り出すことができます。レジリエンスのもう1つのポイントは、状況を楽観的に捉えるということです。ここで注意が必要なのは、何でもかんでもうまくいくという能天気な楽観主義ではなく、現実的な楽観主義です。現実的な楽観主義は、状況を客観的に観察し、極端に悲観的になることを避け、冷静にその状況を認識することです。

レジリエンスを高める3つのポイント

  • コントロールできないことを受け入れる(感情)
  • コントロールできることに取り組む(思考)
  • コントロールできないこととできることを見分ける(マインドフルネス)

ここまでにレジリエンスを高める2つのポイントについて説明してきました。1つは、ネガティブな感情とどう向き合うかということ、もう1つは状況を現実的楽観主義で捉えることです。ここで押さえておきたいことは、ネガティブな感情はコントロールできないことであり、楽観主義で状況を捉えることはコントロール可能なことである、ということです。

レジリエンス

コントロールできることとできないこと、そして見分けること

私たちの感情というのは、抑えようがありません。変化や困難な状況の時には、さまざまな感情が現れます。これは至って自然なことであり、感情が現れないようにすることは不可能です。もしも、感情が現れないように努力しているとしたら、その努力が報われることはありません。それは無駄にエネルギーを消耗するだけであり、事態の解決に至ることはありません。

一方で私たちの思考というのは、変えることが可能でありコントロールできることです。もしも悲観的に物事を考えてしまう癖のある人は、楽観的に物事を捉えるようにトレーニングすることで、現実的な楽観主義を身につけることができるようになります。

これら2つのポイントに加えて、もう1つポイントがあります。それは、コントロールできないこととできることを見分ける、ということです。感情はコントロールできないことであり、思考はコントロールできることである、という認識のもと、自分が感情と思考にどのように向き合っているかということに自分自身で気づくということです。この見分ける力がマインドフルネスによって培われます。ここに、レジリエンスとマインドフルネスの接続ポイントが現れてきます。困難な状況下で、自分の感情と思考に気づき、どのように自分が反応しようとしているかに気づくことが、レジリエンスの第一歩となります。

レジリエンスのためのマインドフルネス

マインドフルネスが鍛えられていくと、自己認識が深まります。自分の心の中にはどのような感情や思考が現れているかに、解像度高く気づくことができます。心の中を観察することで、その感情に対してどのように反応しているか、どのような思考を選択しようとしているかに気づくことができます。ネガティブな感情を抱いても構わないという、自分自身を認め、受け入れる自己受容感が高まり、ネガティブな感情に溺れてしまうことが少なくなります。また、自己認識が深まると、自分の心の癖や思考の反応パターンに気づくことができるようになり、悲観から楽観へのシフトチェンジが可能となります。

鍛えられるレジリエンス

レジリエンスは、トレーニングすることで後天的に鍛えられることが科学的に確認されています。多くのレジリエンストレーニングでは、思考にアプローチする認知トレーニングです。もちろん、認知トレーニングは大切ですが、これだけでは片手落ちです。思考へのアプローチと合わせて感情との向き合い方や自己認識を深めるマインドフルネスを合わせることがより効果的です。コントロールできないこと(感情)を受け入れ、コントロールできること(思考と行動)に取り組み、コントロールできないこととできることを見分ける(マインドフルネス)ことで、より再現性の高いレジリエンスを身につけられるようになります。

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