SIY が国連本部で紹介されました(SDGs達成のために)
2019年5月17日にマインドフルネスとEI(エモーショナル・インテリジェンス)が、SGDs(※)を達成するための具体的な方法として、国連本部で紹介されました。SIYLIのCEOリッチ・フェルナンデス博士は、SIYの内容や採用事例、具体的な効果について、報告しました。
EIの効果
リッチ氏は、ストレス社会の現状に対して、EIが有効であることをエビデンスを示しながら、説明を行いました。EIは、神経可塑性という脳の特性に働きかけることで、トレーニングできることが様々な研究により明らかになっています。心の知能指数と言われるEIを高めることで、認識力や自己管理力を高めるだけでなく、円滑な人間関係を構築することが期待され、個人のパフォーマンス、生産性が向上し、リーダーシップを発揮する人材が増え、幸福感を高めることができると考えられています。
SIYとは
SIYは神経科学で有効性が確認されているマインドフルネスの実践法をベースに、意図的に気づきや注意管理力を高めることでEIを高めるプログラムとしてデザインされています。SIYは2007年にグーグル社が開発したプログラムで、現在では50カ国以上で実施され10万人以上が受講し、様々な分野で採用されています。
SIYの参加者による調査結果から、集中力、回復力、リーダーシップなどの項目で、著しい改善が見られます。例えば、プログラムの前後比較で、衝動的に反応する前に立ち止まれる人は、48%から71%に増加しています。注意がそれた時に気づき現在に注意を戻すことができる人は、51%から71%に増加しています。誰かと衝突した時、なぜ相手の観点がそうなるか、十分理解するために時間を割くことができる人は、50%から68%に増加しています。
SIYを採用している大手企業SAPでは数千人が受講しており、集中力、働き甲斐、幸福感、創造性、チームワークなどが向上し、ストレス反応が減少する結果となっています。これらのポジティブな結果は、生産性や創造性が高まることで収益性の改善につながります。また、従業員の内発的動機が高まり離職率が低下し人材採用、育成に関わるコスト低減にもつながります。
マインドフルネスとEIが向上することで、国連の掲げるSDGs達成の可能性が高まることが期待されています。
(※)SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。貧困や飢餓、健康や教育、エネルギー問題、働きがいや経済成長、気候変動問題などに対する17の項目から構成されています。
SIYLIのCEOリッチ・フェルナンデス博士の国連講演 動画